昨夜のタクシーのことです。
行き先を伝え、バッグを横に置き
ふぅ〜とシートに身を埋めようと思ったら
「はは〜ん」
と運転手さんが言うわけです。
「わかりましたよ」
とバックミラー越しにこちらを見て
「おそらく、あなた、飲食業だ!」
と断定されました。
いきなりの断定です。
やんわり否定したんですが
そこからが衝撃でした。
運「おかしいな。飲食系でしょ?」
私「違いますねえ。全然違う業界です」
運「おかしいな。じゃあ飲んでたでしょ?」
私「いえ、ずっと仕事してましたけど…」
運「おっかしいな、なんでだろ…」
私「なんで飲食業だと思うんですか?」
運「ふふ、聞いちゃいます?」
私「は、はい」
運「私ね、とても鼻が良い」
私「…」
運「油。油のニオイで分かるんです」
私「ええ!! オ、オレ、油臭いですか?」
運「飲食系の油臭さですね」
私「ま、まっじすか?」
運「油です。臭いますよ。すぐわかったもん」
私「本気で」
運「うん。染みこんでるね」
こともあろうか、この日のボクは
取材で好印象を与えるために
<好い香りがするもの>を持ってました。
サンタ・マリア・ノヴェッラの
ポプリ入りシルクサシェ。
40gで6,000円という法外なお値段にもかかわらず
敏腕女性ライターにすすめられ
調子に乗って買った自慢のおしゃれフレグランスです。
確かに「女の子の部屋のニオイみたいだな」と
自分にそぐわない感じは分かっていましたが
まさかどうして
中年の運ちゃんにオイリースメルと切り捨てられるとは
だれが想像できるでしょう。
運転手さんが鼻を鳴らすたび
コートの内ポケットに入れておいた
高級ポプリが気になって仕方がありません。
運転手さんの嗅覚が独特なのか
ボク×ポプリ=油臭なのか
ボクがポプリを凌駕する油臭なのか
おしゃれとは油臭いものなのか。
車中、ボクはモンモンとし続け
運転手さんはクンクンし続けていました。
深夜で疲れてたけど
お風呂をわかして全身くまなく洗って寝ました。
まだほのかに心がイタいです。
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