7月5日(火)
梅ヶ丘
ケータイは如何にして下北へと向かったのか
炎天下の中、北沢警察へ行った。
会計課でなくしたケータイを受け取ると
カバーは砕け散り、SDカードが抜かれ、バッテリーもなくなっていた。
どこで見つかったのか聞いてみると
下北沢の踏切の近くだという。
渋谷から新宿までタクシーで帰ってきたはずなのに
なぜ下北沢でケータイが見つかるというのだ。
ケータイの誘拐監禁傷害致死?
新手のダイイングメッセージ?
まあいいもううんざーり。
余計なことはしゃべらず、礼を言って署を出た。
アスファルトの照り返しがきつく、汗が止まらなかった。
飛び込んだ喫茶店は満員。
「こちらへどうぞ」とモノが積み上がったカウンターに座らされる。
カウンターというより物置のような場所だった。
客を見回すと、すべて同じように太り、たるみ、汚れ
何年もセックスをしていなさそうな中年女ばかりだった。
話しながら数字を書き留めたり、計算機を叩いたり
胃の悪そうな旦那の横で居眠りをしたりしていた。
3人の店員は軍隊のように訓練されており
滞りなく注文を打ち返していた。
老軍曹がつくるナポリタンは申し分のない味だった。
外に出ると相も変わらず糞暑く
ホームで電車を待つ間にさらに汗をかいた。
自分が汚れたおしぼりになった気分だった。
電車は節電で薄暗く、昼間だというのに人の顔も見えなかった。
あきらめて本をとじ、ついでに目も閉じた。
そして
まだ黒電話だった
平和な時代の夢を見た
(嘘)
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