毎日、しらとりが書いて、まるやまが描くブログです。

2011年2月28日月曜日

2/16 左がチャーミングー






2011年
2月16日(水)
晴れ





左がチャーミングー



ライターすらつけられない。

あまりに左手が不器用なので病院へ行くことにした。

「手が、思うように動かないんです」

すると左側診療内科という左専門の医者を紹介され

レフティーインザライトという診断テストを受けさせられた。

左手でボールを投げ、左手で箸を使い、左手で文字を書く。

もちろんうまくできるはずがない。

結果、<左手退化症候群>と診断された。



<左手退化症候群>とは初耳だったが

実は太古の昔から存在する病気らしい。

数々の憶測を生んできたミロのビーナスの両腕も

最近の学説では<左手退化症候群>の仕業ではないかといわれている。

また座禅の組みすぎで手足がなくなったとされる菩提達磨も

<左手退化症候群>が全身に転移したという説が有力なのだそうだ。



<左手退化症候群>はその名の通り、左手が退化してしまう病気だ。

時が経つにつれ不器用になり、思うように動かなくなる。

おまけに数ミリずつ縮むので、やがて左手そのものが消滅するらしい。

そういえば僕の左手も心なしか小さくなっている気がする。



「僕の左手はなくなってしまうのでしょうか?」

「このまま悪化すると危険です」

「手術や治療で治りますか?」

「残念ですが、今のところ確実な治療法は見つかっていません」

「すると左手がなくなるのを指をくわえて見ているしかないと…」

「そうとも言い切れないところがこの病気のチャーミングなところです」

「チャーミング?」

「そうです。実にチャーミングな病気なのです」

チャーミング・・・



刻々と 失われ行く 左手の

サムズアップな 遺影を パシャリ












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