毎日、しらとりが書いて、まるやまが描くブログです。

2010年1月15日金曜日

1/15







2010年
1月15日(金)
晴れ





彼女が出て行ってしまったのでカレーを作る。





キャンプを除けば人生初のカレークッキングだ。





最近めっきり野菜を食べていないので

「野菜を多めに入れてみよう。フフフ」

などと思いながら会社帰りスーパーに寄った。





ところが、カレーになにが入っていたのか思い出せない。





ピーマンは入っていただろうか?あれ、ピーマン売ってないな。





ブツブツ独り言を言いながら、売り場を行ったり来たり。

結局、新ジャガ、ニンジン、玉ねぎ、オクラ、豚肉と二段熟カレーを買うことにした。

オクラをカゴに入れるとき、ドキドキしたのはなぜだろう。

お酒も買ってお会計は2,000円ちょっと。おお、自炊って安い。





プレミアムモルツを飲みながら、野菜を切り、米を炊き、不要な食器はサッと洗う。

玉ねぎに塩とオリーブオイルをかけ、レンジで10分間チンをする。

ネットには、これを炒めてトロトロにすると美味いカレーができると書いてあった。

信じてやってみようじゃないか。

わたしにだって甲斐性はあるのだ。

料理の得意な肉食系男子になってやる。





せっせと動き回り、1時間がたったころだろうか。

ついにルーを入れるときがやってきた。

念のためパッケージの調理法を読んでみて愕然とする。

1箱につき水800ml。

さっき鍋に2lの水を入れたばかりだぞ。

ルーが全然たりてない。

どうする。薄味のカレーってうまいのか?





ここで諦めてはいけない。本能的にそう思った。

いや、諦めたらまずくなりそうなのでコンビニに走った。

そこでわたしはまたしても愕然とする。

このコンビニ天下のご時世に、バーモントカレーしか売っていないのだ。

(なんとなく)ジャワカレーが欲しかったのに…。





しかし家ではかわいい食材たちがルーの帰りを待っている。

わたしはハアハアと息を切らせながら(近所のコンビニを2軒走り回った)

黄色いバーモントカレーの箱をレジへと持っていったのだった。





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カレーは二日目が美味い。そう聞いている。

なので翌朝起きるとすぐさま鍋に火を入れた。

会社に行く前に朝ご飯を食べていくのだ。

ニンマリと笑みがこぼれる。

なんて、なんて賢明な生活なんだ(まだ1日目)。

今日はなにか良いことがありそうだな。

カレーのおかげで緊急の仕事もサクサクはかどるよ。





有頂天のわたしは米2合分ほどをバクバクと食べ

もう一口、と思ったところであることに気がついた。

具が見つからない。

もう具がないのだ。





鍋一杯の茶色い液体は確かにカレーである。

二段熟カレー(中辛)とジャワカレー(中辛)が二箱まるまる入っている。

立派にカレーだ。

しかし

新ジャガも、ニンジンも、玉ねぎもオクラも豚肉も、もうここにはいない。

ほんのりとその面影(出汁?破片?)が残っているだけだ。

具というパートナーを失ったカレー(液体のみ)は

どこかガランとしていて、抜け殻のように見えてくる。

食欲をそそるあの香りにも、どこか寂しい気配を感じ取ってしまう。





ああ、これじゃまるで、彼女が出て行ったこの家みたいじゃないか…。











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