2010年
4月17日(土)
晴れ
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20××年、地球はヤル気に満ちたヤル気人間に支配されていた。
ヤル・キングダム初代国王ヤルーキ・フルテンは
新型バイオウエポン“ヤル菌”を世界中にばらまくと
150の国々と30の宗教をわずか数ヶ月で制圧してしまった。
人々はヤル気に満ちあふれ、千年王国が訪れたかのように思われていたが
その影で自由を奪われ、厳しい弾圧にあえぐヤル気のないものたちもいた。
ダメ人間である。
国王フルテンの粛正により絶滅の危機に瀕していたダメ人間たちは
息をひそめ、肩を寄せ合い、傷をなめ合うようにして暮らしていた。
彼らの居住区域は“メンドークサ”と呼ばれ
そこから勝手に出ることも、またヤル気人間がそこに入ることも禁止されていた。
メンドークサにはヤル・キングダムから送り込まれた“ティーチャー”たちが常駐し
「ガンバレ!」「ヤレバデキル!」「キアイダ!」と日々ダメ人間たちを“キョーイク”した。
本来ダメ人間たちの生活は、日中は眠り続け、夜になると酒を飲み
うっすら空が白む頃には気絶する、というヤル気のないものだったが
ティーチャーたちのヤル気に満ちたキョーイクによってペースを乱され
禁断症状によって多くのものがその命を落としていった。
メンドークサの長老・ジジは事態を重くとらえ、残ったダメ人間たちを集めこう告げた。
「このままではメンドークサが消滅してしまう。今こそ他力本願が必要なときじゃ。
うわさの勇者“ダ・メンズ5”を見つけ出し、うまいことなんとかしてもらうのじゃ!」
続(けたい)
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