2010年
2月26日(金)
雨
ひとつの卵から100匹以上もの子供が生まれるカマキリは
孵化した瞬間から共食いをはじめる生物だ。
産卵を終えたメスはオスを食べてしまうし
同類を食べることへのスタンスが基本的に違う。
生きていくための養分が
自分と同じかたちをしていて
自分もひとつの養分であり
集合体としてはじめてひとつである。
そんなカマキリ社会において共食いのはてに生き残った一匹とは
集合体における第一次成長段階の完成であり
カマキリとしての一生をゆだねられた希望の一匹、ということになる。
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たまごの黄身と白身、どっちがニワトリ?
というたぐいの解答はかならず意外性のあるほうで
この場合もやはり正解は白身のほう。
白身は黄身を取り込んでヒヨコとなり、ヒヨコはやがてニワトリとなる。
つまりカマキリにおいては黄身も白身もカマキリであり
自分が黄身カマキリなのか、白身カマキリなのかを知るのは
生き残った最後の一匹のみとなる。
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だって君はシロミじゃないか。
僕なんてキミなんだぞ。
「ちがう、私はアナタじゃないわ。私はワタシよ。」
違う、君はキミじゃないんだ。
キミは僕なんだ。
僕はキミなんだよ。
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2010年のスナック「静かなる海」では生命の不思議が語られ
その話し声は雨音にかき消され「静かなる海」は今日も静かなるのでした。
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